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永瀬 文久
最新核燃料工学; 高度化の現状と展望, p.148 - 155, 2001/06
冷却材喪失事故(LOCA)時には、被覆管温度は800~1400Kに達し、緊急炉心冷却系(ECCS)により冷却されるまで、数分間高温に保たれる。温度上昇に伴い、燃料棒は膨れ・破裂する。また、被覆管は高温で水蒸気により酸化され、酸化の程度が著しい場合には脆化する。脆化した被覆管は、ECCS水により冷却される際の熱衝撃や機械荷重によって破断、破砕する可能性がある。本報告においては、主なLOCA時挙動である被覆管の膨れと破裂、高温酸化、脆化について解説するとともに、燃料の高燃焼度化がLOCA時燃料挙動に及ぼす影響に関する最近の研究成果を紹介する。
吉武 庸光; 大森 雄; 坂本 直樹; 遠藤 敏明*; 赤坂 尚昭; 前田 宏治
JNC TN9400 2000-095, 110 Pages, 2000/07
米国Fast Flux Test Facilities(FFTF)で照射された「もんじゅ」型燃料集合体MFA-1及びMFA-2に装荷されたPNC316及び15Cr-20Ni鋼被覆管の燃料ピンはこれまでで最高の高速中性子照射量を達成している。これらオーステナイト系ステンレス鋼を高速炉炉心材料とした場合、高速中性子照射に起因するスエリングによる形状変化(体積膨張)が使用上重要な評価項目であるが、機械的性質に及ぼす照射効果、特に重照射条件でのスエリングした材料の機械的性質の評価も重要なことである。そこで、重照射されたPNC316、15Cr-20Ni鋼被覆管のLOF時の過渡変化時における燃料健全性評価に資することを目的として、これらMFA-1、MFA-2の燃料被覆管について急速加熱バースト試験を行うとともに、その後の金相試験、TEM観察に基づき急速加熱破裂挙動を評価した。本試験・評価で得られた主な結果は以下の通りである。1)PNC316では、照射量2.1310の27乗n/mの2乗(E0.1MeV)までの範囲において、周応力100Mpa程度までの低応力条件では破裂温度はこれまでの照射材データと同様であり照射量の増大に伴う破裂温度の低下は見られなかった。2)15Cr-20Ni鋼では、照射量2.2710の27乗n/mの2乗(E0.1MeV)までの範囲において、周応力約200MPaまでの条件において、破裂温度は非照射材と同等であり、照射による破裂温度の低下は見られなかった。3)PNC316について、「もんじゅ」燃料使用末期条件である周応力69MPa(7kgf/mmの2乗)にて試験した結果、破裂温度は1055.6であった。ここで試験加熱速度は5/sであり、「もんじゅ」設計におけるLOF時の1次ピークで想定される被覆管温度上昇率よりも厳しい条件であることから、本照射量条件において「もんじゅ」燃料の許容設計限界の被覆管最高温度(肉厚中心)830の保守性を示した。4)今回試験したスエリング量数%の条件では、急速加熱バースト後の組織は照射後試験加熱前の組織と比較して顕著な違いは認められず、破裂機構に関してスエリング量、破裂温度及び組織(ボイドの結晶粒界への偏析、粗大化)間の相関は見られなかった。
浜田 広次; 田辺 裕美
PNC TN9410 96-027, 41 Pages, 1995/12
FBR蒸気発生器(SG)で水リークによるナトリウム-水反応ジェットが生じると、隣接伝熱管が急速に高温状態に曝される。このような条件下でも、管壁の機械的強度の低下による高温ラプチャが生じないことを確認することが安全上重要である。高温ラプチャ評価手法を確立するため、これまで構造解析コードFINASによる解析モデルを使用し、模擬試験データによる検証を行ってきた。今回は英国PFRの過熱器を対象として、1987年の大リーク事故解析を行った。事故当時の低速ブロー系設置体系においては、反応ジェットに曝された隣接管に過熱器隔離後3秒で解析上の高温ラプチャが生じており、実際の事故シナリオと非常に良好な一致が得られたことから、採用した高温ラプチャ解析モデルの妥当性を確認できた。また高速ブロー系設置体系を想定した比較解析からは、伝熱管やナトリウム側の条件が同じでも、過熱器隔離後の蒸気ブローによる急速な減圧及び管内冷却効果の存在により隣接管に高温ラプチャは生じないことが確認された。以上の解析結果は、PFRで見られた大リークへの進展が過熱器の設計・運転の違いに起因して生じたものであったことを示しており、これらの知見からは、SGの設計はもちろん水/蒸気系の隔離及びブローといったリーク後の運転操作も高温ラプチャを回避する観点から極めて重要であることが推測できる。実証炉以降の大型炉SGの設計においては、水リーク後の最適な蒸気ブローの設計・運転法を見いだす必要があり、本報で開発した高温ラプチャ解析手法は、その設計評価にも充分反映できるものであると考える。
浜田 広次
PNC TN9410 95-262, 35 Pages, 1995/09
FBR蒸気発生器(SG)で水リークによるナトリウム-水反応ジェットが生じると、隣接伝熱管が急速に高温状態に曝される。このような条件下でも、管壁の機械的強度の低下による高温ラプチャが生じないことを確認することが安全上重要である。高温ラプチャ評価に向けて、これまで構造解析コードFINASによる1次元解析モデルを使用してきたが、本モデルの妥当性を確認するために、火薬トーチの火炎噴流により高温ラプチャを模擬した試験及び同解析モデルの検証を行った。その結果、以下が明らかになった。(1)同じ管内圧力でも、蒸気封入管はラプチャ破損し、蒸気流動管には破損が生じないことから、高温ラプチャでは管内冷却(除熱)効果が大きい。(2)同じ封入管でも、管外熱伝達率が小さい加圧管は破損しないことから、管内冷却効果と同様に反応ジェットによる管外熱伝達率の効果が大きい。(3)以上の傾向は、破損時間などが幾分保守的となるものの、FINASによる試験解析においても充分説明できることから、本解析モデルの妥当性が確認できる。以上の知見を踏まえ、今後火薬トーチ等による高温ラプチャ模擬試験及びコード検証を実施していく上での課題として、以下を提案した。試験条件となる実際のナトリウム-水反応ジェットによる管外熱伝達率を正確に把握し、試験条件の設定に反映すること。実機の管内条件を模擬するため、試験体には高圧の過熱蒸気を供給できる設備に変更すること。また、反応ジェットでは伝熱管の周方向及び軸方向に温度分布が生じることから、より現実的な高温ラプチャ解析には多次元(23次元)モデルを採用する必要があること。
浜田 広次; 田辺 裕美*; 松木 卓夫*
PNC TN9410 90-089, 150 Pages, 1990/05
有液面型である原型炉の蒸気発生器(以下,SG)を対象として開発した大リーク・Na-水反応解析コードSWACSを,無液面型SG体系についても適用可能とすることを目的とて現在改良を行っており,初期スパイク圧計算モジュールについては圧力開放系の接液型ラプチャディスク(以下,RD)応答と放出系配管内の流動を扱うモデルを付加した新モジュール SWAC57Rを開発した。本報告書は,SWAC57Rの解析機能を確認するために実施した検証解析及び水中火薬模擬試験(PEPT)のデータを用いて無液面型SGへの適用性を確認するために実施した試験解析の結果についてまとめた。検証解析からは,SG事故時の圧力開放特性に接液型RDの破裂/開口特性が大きく関与することや破裂/開口特性を定義するパラメータ(Ri,Rf,tf,-ti,GAR,GVE)が圧力波形に及ぼす影響を明らかにした。また試験解析からは,RDパラメータにフィッティング値(Ri =0,Rf =1,tf,-ti =0.004,GAR= 0.8, GVE= 0.5)を用いることで試験結果を精度よく評価し,特にIHX部での最大ピークは+10%前後の誤差であることを確認した。検証解析及び試験検証により, SWAC57Rに付加した新モデルの解機能を確認する事ができ,また圧力の波の最大ピークに対しては有液面型SGを対象に従来実施してきた検証結果の評価精度を確保することが示され,SWAC57Rは無液面型SG体系にも適用可能なことを確認した。
内田 正明
JAERI-M 82-189, 33 Pages, 1982/11
PBF炉におけるLOCA模擬実験LOC-11とLOC-3の燃料挙動データをFRETA-Bコードで解析した。各実験から1本ずつ燃料棒について、実測冷却材条件を入力として燃料温度、内圧、被覆管変形を計算し実測値と比較した。両実験共、被覆管の温度については実測値と基本的に一致する結果を得た。またLOC-11Cにおける小さい被覆管変形およびLOC-3での大変形と破裂についても合致する計算結果を得た。LOC-3の解析では破裂時刻が実測よりかなり遅く計算されたが、これに関する検討を通じて、LOC-3の非照射燃料棒の変形が水力的要因によるホット・スポット効果により加速された可能性を指摘した。
三浦 信; 日高 康雄; 神谷 和明; 大森 拓郎; 小幡 真一; 田中 康正; 椎名 定; 小笠原 甲士
PNC TN841 79-12, 103 Pages, 1979/03
新型転換炉用新材料被覆管開発のため,昭和49年度に試作されたZr-1%Nb試作被覆管について,第一報に引続き評価試験を実施した。その結果,引張強さ・破裂圧力などの強度はZry-2と同程度であるが,破断伸び・最大円周伸びなどの延性はZry-2より低い値を示す。水中300における腐食試験ではZry-2と大差ないが,水蒸気中400における試験ではZry-2よりやや大きい腐食増量を示す。また,Zr-1%Nb合金に関する文献データを抜粋してまとめ,さらに,ソ連の軽水炉について要約した。
村主 進; 川崎 了
原子力工業, 20(8), p.70 - 74, 1974/08
冷却材喪失事故時における燃料被覆管のふくれ、破裂、被覆管のジルカロイ-水反応、被覆管のぜい化などについて実験結果と安全解析に採用されている考え方について説明した。
成川 隆文; 天谷 政樹
no journal, ,
未照射ジルカロイ-4被覆管を対象とし、冷却材喪失事故(LOCA)を模擬する試験時の加熱方法が同試験時の被覆管の膨れ及び破裂挙動に及ぼす影響を調べた。被覆管の最大周方向歪みを破裂直前の内圧に基づく公称応力で規格化した値で整理したところ、その絶対値は加熱方法の違いよりも加熱時の試験燃料棒の周方向温度分布の影響を受けること、また、破裂開口部の面積は加熱方法の違いの影響を受ける可能性のあることが示唆された。
谷口 良徳; 宇田川 豊; 村松 靖之; 蛭田 健太; 天谷 政樹
no journal, ,
燃焼度64GWd/tのM5被覆MOX燃料を対象とした反応度事故模擬実験を原子炉安全性研究炉で実施した。その結果、同実験に供した実験燃料棒の破損形態は、これまで高燃焼度軽水炉燃料で見られたPCMI破損とは異なる高温破裂型であった可能性が大きい。
井岡 郁夫; 坂本 寛*; 山下 真一郎
no journal, ,
軽水炉の安全性向上に資する新型燃料の技術基盤整備を目的に、事故耐性に優れた改良ステンレス鋼(FeCrAl-ODS)燃料被覆管の研究開発を実施している。FeCrAl-ODS鋼被覆管のインテグラルLOCA模擬試験を実施した。FeCrAl-ODS鋼のLOCAバーストに対する耐性が、Zircaloyに比べ大幅に向上したことを確認した。